2008年1月24日, 木曜日
『ちゃんと弾きなよ!』
昨年12月のちょうどクリスマスの日に私の友人が亡くなった。元「小坂忠とウルトラ」のベース、山本“MA-SAN”正明、53歳の短い生涯だった。
4年前に胃ガンを患い胃の全摘手術をしてから1年後の11月、彼の回復祝いと励ましのために関西でのライブハウスツアーを始めた。マーさんが関西で一緒に活動している親しいミュージシャンを集めてくれて、それ以来毎年11月にはマーさんバンドとの関西ツアーが恒例になっていた。3年目の今年、マーさんは少し元気がなかった。今までは言ったことがないのに自分から「椅子に座っていいですか」と言ってきた。大分具合が悪かったんだろう。そのツアーが終わった2日後に入院、とうとうそのまま帰らぬ人となってしまった。考えて見ればマーさんのプロとしてのキャリアは「小坂忠とウルトラ」というバンドでスタートし、彼のラストライブも一緒だった。こんなミュージシャンは彼しかいない。ふと寂しくなって主のいなくなった彼のブログをのぞいてみた。そこにマーさんらしいコメントを見つけたので紹介しよう。
「忠さんの一言」
何気ない一言が大きな意味を持つ事ってありますよね、言った方はあまり記憶に残らなくても、言われた方は長く心に残ることがあります。
僕の場合、30年前に小坂忠&ウルトラでのライブ中に忠さんが僕の肩に手をまわして耳もとで「ちゃんと弾きなよ!」と囁いたんです。
その当時小坂忠と云えばティンパンアレィのボーカリストでの実績があり、アルバム〈ほうろう〉の素晴らしい歌で大評判のシンガーでした。
僕はと云えば大阪から出て来たばかりで、数カ月前まではアマチュアのベーシストです。それからは、悔しくて自分なりに頑張って練習して、ウルトラでベースを弾いて忠さんについていく事だけ考えていました。
あれから30年ずっとベースを続けられたのは、忠さんの一言があったからかなと思っています。3年前に忠さんとまたライブが出来るようになってから、忠さんに聞いた所全然覚えていないとの事でした。やはり言われた側は長い間覚えているし、悪く言えば根に持つものです。でもその一言のお陰で今までやって来れたんですから、今となっては感謝しています。最近忠さんに言われた一言「マーサンもベースが上手くなったような気がするね」…!!♪山本”MA-SAN”正明
このブログを読んで改めて一言の重さを知らされました。
Ma-san Official Web
http://bass-ma-san.com/index.html