2008年4月 4日, 金曜日

「麦は踏まれて強くなる」

日テレビで現代の子どもの朝ご飯事情が紹介されていた。ご飯を作る母親の基準は「子どもが好きな物」。だから朝からケーキやデザートを食べる子供がいる。子どもが好きなものなら、ちゃんと朝も食事を摂ってくれる、という母親の気持ちが判らないでもないが、子ども時代に偏食させていたら大人になって大変なことになるんじゃないかと心配した。僕なんか子どもの頃に父親から嫌いな物を徹底的に食べさせられた。僕はセロリが食べられなかった。すると食べられるようになるまで食べさせられた。吐きそうになっても容赦しない。あの父親の鬼のような怖い顔を思い出すと今でも恐ろしい。でもあの鬼のような顔の裏には「何でも食べられるようになってほしい」と言う優しさが隠れていたのだ。おかげで今では食べられないものは一つもない。ドリアンだって食べるし、蜂の子だって食べられる。あの嫌いだったセロリもちゃんと食べられるようになった。

日、我が家から教会へ行く途中の小さな麦畑で久しぶりに麦踏みの光景を見た。僕が小学生の頃を過ごした埼玉県志木の時代、家の回りには麦畑が広がっていた。冬の寒い季節によく麦踏みを手伝った覚えがある。まだ10センチ位の麦の芽を蟹の横歩きのように横に向かって足の幅で踏んでいく。子どもの頃には何のために麦踏みをするのかわかっていなかった。何でせっかく伸びた芽を踏んでしまうのか疑問だった。しかし、麦踏みは、麦の種をまいて葉が出てきた頃に行う日本独特の農作業で、この作業を行うことによって、霜柱ができたときでも土が持ち上がらず、麦の根を傷めず、 踏むことにより茎がたくさん分かれ、根も強くなり麦の生育を助けるというちゃんとした理由があるのだ。

まれて強くなる麦。今の子育てに必要な教訓だ。麦踏みをしないと麦はひょろひょろと丈ばかりが伸びて実を結ぶと折れてしまうと言う。麦踏みをする日本の麦は、背は低いけど茎が太くて丈夫に育つ。今の人ならきっと「かわいそう」と言って麦踏みなんかしないだろう。「先生にしかられた」と言って泣いて帰ってきた子の親が「かわいそう」と教師にくってかかる。愛の鞭なんて通用しない時代なのだから。しかし、本当にかわいそうなのはそんな子どもが大人になってからだと思う。風に弱く、自分の実りの重さに耐えられない麦。格好は良いかも知れないが太く強い麦を育てたいものだ。
「むちを控える者はその子を憎む者である。子を愛する者はつとめてこれを懲らしめる。」(箴言13:24)

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